遡及請求の決定に不服のある場合

 障害認定日から1年以上経過して、障害認定日請求した場合について解説します。

 原則、障害認定日当時と請求日当時の、2枚の診断書で請求した人です。


1.不支給になった人

審査請求です。それ以外では、再度の請求がありますが、再度の請求は事後重症請求ですので、遡及はありません。再度の請求日の翌月からの年金支給です。さらに、今回と同じような内容の診断書や初診日証明では、同じ結果になる可能性が高いです。不支給の理由が初診日(保険料納付要件など)にあるのであれば、100%審査請求です。再度の請求でも、同じことの繰り返しになります。

2.請求日(事後重症)だけが認められて等級にも納得しているが、遡及(障害認定日)が認められなかった人

審査請求しかありません。遡及を認めさせるのは、原則、審査請求だけです。現在(請求日)の等級に納得できているのであれば、再度の請求はする意味がありません。

3.請求日(事後重症)が認められたが等級に不服があり、かつ、遡及(障害認定日)が認められなかった人


審査請求です。遡及については、原則、審査請求する以外に方法はありません。現在の等級については、1年後に改定請求する方法がありますが、等級が変わるのは、改定請求した翌月からです。

4.遡及(障害認定日)が認められたが、障害認定日・請求日ともに等級に不服がある人

審査請求です。1年後に改定請求する方法もありますが、等級が変わるのは改定請求した翌月からです。遡及分については、審査請求しかありません。

5.遡及(障害認定日)が認められ、請求日の等級には納得しているが、障害認定日の等級に不服がある人


上記②と同様、審査請求しかありません。遡及を認めさせるのは、原則、審査請求だけです。現在(請求日)の等級に納得できているのであれば、再度の請求はする意味がありません。

6.遡及(障害認定日)が認められ、障害認定日の等級にも納得しているが、請求日の等級に不服がある人


審査請求を勧めます。審査請求か1年後の改定請求かの選択です。審査請求では、最初の年金請求日の翌月に遡って年金額が変更になりますが、改定請求では、改定請求の翌月からの変更です。最初の年金請求日よりも現在のほうが重いというような場合は、改定請求のほうが確実なのかも知れませんが、審査請求をすることによって、改定請求が不利になることは決してありません。まずは、期限のある審査請求をされて、その後、様子を見ながら改定請求をするといった方法もあります